ルポ「愛・地球博」
〜「めざめの方舟」で感動体験!〜
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富士山をイメージした「夢見る山」 |
月の石に、多くの人が宇宙時代を夢見た「大阪万博」から35年。日本で2度目となる万博「愛・地球博」が、3月25日に開幕した。『自然の叡智(えいち)』をテーマにすえた今回の万博では、科学技術と自然環境の調和を見ることができる。この、今年最大のビッグイベントに、早速行って来た。
5月4日。JRの万博往復きっぷを使って、メイン会場である長久手会場に到着。ゴールデンウイーク中ということもあり、会場内は、うかつに立ち止まれないほどの人波となっていた。つい、地元浜松祭りの「練り」を連想してしまう。
時間のロスを少なく楽しむには、きっちりとした順路プランが必要だ。大阪万博の半分以下とはいえ、長久手会場の敷地は158ヘクタールと広く、立体的でやや難しい造りになっている。事前に会場図を手にいれておかないと、私のように行き来だけでくたくたになってしまう。
来場前から、ここだけは!と楽しみにしていたのが「夢見る山」のテーマシアター、鬼才・押井守監督の手がける「めざめの方舟」だった。上演を観覧するのには、整理券をもらう段階で「アリーナ」「スロープ」のどちらかの場所を選ぶことができる。私は迷わず50インチプラズマ・ディスプレー96台の床面に立つことができる「アリーナ」。四方を約二百体の不気味な獣人像に囲まれ、上下が反転した迫力ある映像に包まれる10分間はまさに芸術体験。日本が誇る才能のど真ん中にたたずむ気分は、感動だった。
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世界の120カ国もが参加している |
企業パビリオンや外国館をテーマパーク気分で楽しむのも良いが、より万博を味わうために「万博エコマップ」を手に回ることをお勧めする。インターネットでダウンロードできるこのマップには、会場内に盛り込まれた環境への配慮や、各国のエコへの取り組みがくわしく書かれている。「愛・地球博」の名に込められた、私たちと自然のこれからが見えてくるはずだ。
個人的に見所と思うのは、各パビリオンのアテンダントの衣裳。どれもユニークで、襟や袖などのちょっとした所が凝っているので、ぜひ注目してほしい。私のお勧めは、日立グループ館。
「愛・地球博」の開催は9月25日まで。7月1日現在で既に九〇〇万人が訪れ、目標の一五〇〇万人を優に超える来場者数が見込まれている。私は家族と訪れたが、友達や恋人とでももちろん楽しめるはず。自分なりのプランを立てて、ぜひ行ってみてほしい。
(中村玲子) 【第5号 2005年07月22日】
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