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アンナ・ホルムさん特別講演会

デンマーク最新福祉事情―本当の豊かさって、なあに―

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 静岡英和学院大学の特別講演会&パネルトーク「デンマーク福祉最新事情―本当の豊かさって、なあに―」が3月23日、福祉関係者や一般市民約200人を集めて、グランシップで開かれた。主催は、大学地域福祉学科、国際比較福祉センター。  講演会の講師は、デンマーク・ストアストローム県立自助器具センター所長アンナ・ホルムさん。デンマーク語を使っての講演でアンナさんは、近年同国の福祉政策が、高齢者や障害者の「ために」から「一緒に」に方向転換していると指摘する。「自立するために足りないところを補うことは当然だが、サポートしすぎはいけない」と述べた。

 パネルトークには、アンナさんの夫で、北欧福祉研究家のベニーさん、アンナさんの通訳を務めたデンマーク滞在30年余で、「あなたの子どもはあなたの子どもではない」の共著者である宮下智美さんと夫の孝美さん夫妻が加わり、地域福祉学科の皆川靱一教授の司会で、世界一高い生活水準を誇るデンマークの「本当の豊かさ」について話が弾んだ。

 高福祉を支える高負担に関して宮下さん夫妻は「消費税率25%を含め確かに重税だが、実際に納税した以上に年金、教育、医療、育児支援などの福祉サービスを受けているため、国民の大半は不満を感じていない」と話していた。

 またアンナさんらは、「わが国では贅沢をしすぎる人もいなければ、生活に困るほど貧困にあえいでいる人もいない。それは、根底に困っている人を助けるという意識が根付いている。本当の豊かさとは、相互連帯によるそうした豊かさではないか」と自論を展開した。

(鈴木明哲)

【第4号 2005年04月05日】

 

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