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「はいあがる力を身につける」

北條先生講演会

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 地域福祉学科教授で、県立こども病院名誉院長の北條博厚先生による子育て講演会が、5月と7月の2回にわたって静岡市産学交流センターペガサートで開かれた。

  「育児の落とし穴」と題して、小児神経科医としての長年の経験をもとに、子育てでぶつかる問題へのアドバイスを説いた。

  5月21日の初回は乳幼児編。「最近は育児書に頼る親が多いけれど、知識だけが先行してはうまくいかない」「落とし穴に落ちないのではなく、落ちて、そこからはい上がる力を身に付けることが重要」などと、親子がともに経験を重ねることの大切さを語った。

  続く7月2日の思春期編では、昨今の少年犯罪の増加からニート現象、特別支援教育をめぐる問題などを述べ「逸脱行動に歯止めを掛けるのは何なのか、皆さん自身も考えてみてください」と結んだ。

  質問コーナーでは、受講者から思春期に起こりえる心身症や、性教育に関する具体的な問いが投げかけられ、先生は講演後にも話を聞くなどして悩みや疑問に丁寧に答えていた。

  会場となった大会議室には両日、子育て中の母親や教育関係者など、定員を超える約一〇〇人が集まり、熱心に耳を傾けた。

  乳幼児を連れた母親たちが講演に集中できるようにと、会場のすぐ横には保育室が設けられた。部屋にはおもちゃや絵本などが用意され、保育士の資格を持つ地域福祉学科の大島先生と10人の学生たちが、ほぼ1対1で子供をみてあげた。初めての試みだったが申し込みも多く、好評だった。

(中村玲子)

   


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